最終更新日:2023年9月27日
ACアダプターは重要な機器
外付けHDDやWi-fiルーターなど、パソコンの周辺機器を購入すると必ずといって良いほど付属してくるものといえば、黒い小箱に1m前後の電源コードが付いた「ACアダプター」です。
ACアダプターは、電源コンセントまで届いている100Vの交流(AC)電気を、直流(DC)電気で動く周辺機器に電気を供給するだけの地味な機器ですが、どんなに周辺機器本体が良好な状態でも、このACアダプターが壊れてしまったら動かすことができません。
周辺機器のオマケとして粗末に扱われがちですが、ACアダプターはなくてはならないとても重要な存在です。
ACアダプターの寿命や故障の症状と原因は?
壊れる原因の多くは、ACアダプター本体内部にある電気・電子部品の劣化による故障で、いわゆる「寿命」といわれるものです。寿命は部品の質や使い方で変わりますが、平均で5年を超えると自然に故障しやすくなります。
その他には、電線の内部的な断線や、激しく落下させて内部の部品が割れたり、水に濡らして内部の回路をショートさせたり、また、機器に接続するコネクターの劣化(錆びなど)も、発熱によるコネクターの故障の原因になります。
寿命や故障した時の症状は、最初はまれに機器が動かなくなる程度ですが、悪化するとその頻度が多くなり、最終的には完全動かなくなってしまいます。
電線をきつく巻くと断線の原因になるので注意しましょう
ACアダプターの電気回路は単純なので、周辺機器本体より早く壊れることはあまりありませんが、内部の回路に寿命が短い不良気味の部品が使われた場合は、周辺機器本体よりも早く壊れてしまうことがあります。
電線の断線は、ACアダプターの電線を強く引っ張ったり、本体にきつくグルグルと巻き付けるしまい方をすると起こりやすくなります。
また、コネクターの劣化はホコリっぽく湿度が高い環境で、長く使い続けた場合に起こりやすくなります。
故障の調べ方
① 目視でチェックする
ACアダプターから出ている電線や、先端にあるコネクター内部の劣化や錆びを目でチェックします。金属部分が黒く変色していたら高熱が発生した可能性があるので、そのACアダプターは使用しない方が良いでしょう。茶色になっていたら劣化で錆びている可能性があります。また、本体を振ってみて内部からカラカラと変な音が出ないかを確認します。
② テスターで電圧を測る
ACアダプターの先端のコネクターにテスターの棒を差し込んで、定格通りの電圧が出ているかを測ります。もし、定格よりも高かったり低かったりする場合は、故障している可能性がありますので、使用しない方が良いでしょう。
③ 手で触って断線を確認する
ACアダプターから出ている電線を指でなぞって、微妙に細くなっている部分(断線している部分)がないかをチェックします。また、ACアダプター本体と電線の間にあるクッション部分も断線しやすいので良くチェックしてください。
<対処方法>
ACアダプターが故障した時の対処方法は、おおよそ以下の4つになります。
① 自分で修理する
これは自己責任になりますが、こびり付いたホコリによるコネクターの接触不良や軽い断線は自分で修理することができます。
コネクターの接触不良は電気を通さないもの(つまようじなど)で掃除します。電線の断線はハンダやホームセンターで販売している接続端子やスリーブなどでつなげてしっかりと絶縁すれば問題ありませんが、多少の知識と慣れが必要なので自信がない場合は、電気に詳しい人にお願いしてください。
TRUSCO(トラスコ) 絶縁被覆付圧着スリーブ 突き合わせ用 B形 (20個入) T-TMVB-1.25(Amazon 591円)
② 製造メーカーで修理してもらう
購入して間もない故障の場合はもちろんですが、メーカー保証が終わって1~2年程度で故障した場合も、これから長く使うつもりであれば製造メーカーでしっかり修理してもらった方が間違いありません。
年式が古く修理が打ち切られている場合は中古品を入手します。
③ 中古品を入手する(ヤフオク、メルカリ、リサイクルショップなど)
メーカーで修理ができない場合は、同じ型番のACアダプターの中古品をヤフオクやメルカリ、リサイクルショップなどで探しますが、次のような注意が必要です。
※ヤフオク・メルカリで入手する場合の注意点
必ず出品されているACアダプターが「使用可能」であることを質問や商品説明で確認します。
中には少し調子が悪いACアダプターだと知らずに、あるいは、知っていながら出品しているちょっといい加減な出品者もいるので、購入・入札する場合は必ず「返品」ができる商品だけにしましょう。
※リサイクルショップで入手する場合の注意点
ハードオフなどでは中古のACアダプターを「ジャンク品」として販売しています。ジャンク品は「無保証+返品不可」で売られていることが多く、買った後にすぐに壊れたり、最初から壊れていても基本的に返品はできません。
買う前に外観のキズや汚れ方、コネクターやケーブルの状態、上下左右に振った時に内部から変な音が出ないかなどをしっかり確認してから買いましょう。
③互換品、汎用ACアダプターを利用する
中古品が見つからない場合は、アマゾンなどで販売されている互換品や汎用品のACアダプターを購入することになりますが、互換品や汎用品を利用する場合にも、いろいろと注意しなければならない点があります。
<互換品の注意点>
アマゾンにはACアダプターの互換品が数多く出回っていますが、互換品は儲けを出すために安い部品を使っている粗悪品も多く、安全性や耐久性などに少し不安があるので、長期間コンセントに差しっぱなしにするような機器に使用するのは、なるべく避けた方が良いでしょう。
<汎用品の注意点>
汎用品は出力電圧を変えることができたり、先端のコネクターが差し替え式になっているのでいろいろな機器に対応できますが、便利な分それだけトラブルを招きやすくなるので、こちらも互換品と同じように長期間コンセントに差しっぱなしにするような機器には使用しない方が無難でしょう。
備考・その他・まとめ
メーカーの純正品だから絶対に安全だという保証はありませんが、ACアダプターは最悪の場合「発火」する危険性がある機器です。専用設計でしっかりテストを行っているメーカー純正品を使った方が安全で安心であることは間違いありません。
数千円、数百円を節約したせいで火事になってしまった・・・なんてことにならないよう、ACアダプターの選び方や使い方にはぜひ注意してください。
END